箱ウニ定食のこと [家族会議]
2012/07/25
「鈴木福くんのあの喋りかたって演技なのかな?」
ある夜のこと、娘が急に口を開いた。
夕食後から何か思い悩んだ様子ではあったが、
30分以上もそんなことを考えていたのか。
「すべてが演技ということはないと思うけど、
何をすれば大人が喜ぶかということは
小さな子どもでも分かっているのではないかな。」
私は大人としてあまり思慮のない返答はできないと思い、
曖昧な言葉でお茶を濁した。
「でも子どもってあざといところがあるから。」
...。
親の心を知ってか知らずか、
娘は攻撃の手をいささかも緩めようとはしない。
私は気分を変えようと思い、娘にこう尋ねた。
「あざといって、どういうことだと思う?」
その問いを予想していたかのように間髪を入れずに娘が言う。
「そうね、上地雄輔が紳助のことを“父ちゃん”と呼ぶのが
結構あざといと思ったわ。」
せ、せっかく矛先を変えたのにまた個人名を出してきたな。
つくづく武闘派の娘だ。
「ある時期からまったく言わなくなったところもね。」
背後から嫁が参戦してきた。
(おまえか!? 武闘派はおまえのDNAか!?)
ケケ
木日
【川越市場リンク】
「あと、何か欲しいものがあるときに
波平の膝の上に座って“じいじ”と呼ぶタラオもあざといよね。」
(何番!? それって作品No 何番!? てか呼び捨て!?)
■
若さゆえの勇み足なのか。
議論に想像や捏造を加えてしまったら答には辿り着ける筈がない。
さまざまな思いを残し、家族会議は幕を閉じた。 会議だったの?
高枝切りばさみの男
おわり。(読み捨ててください)