秩父往還のこと [ツーリング(超100km)]
2015/10/03
今朝は5時に目が覚めました。
巾着田
なんだがんだで家を出たのが6時頃。
1.5Hほどかけて巾着田(日高市)までやってきました。
さすがに曼珠沙華の見頃はとっくに終わっていましたが、
そろそろコスモスが咲きはじめていました。
まだ日中の日差しは強いですが、
秋の深まりを感じる季節ですね。
曼珠沙華の花って、枯れると倒れるんですね。
正直でわかりやすい。
小学校のドッジボール、
当たったのにコート外に出ないU田くんとは大違いです。
サッカーでミスすると死んだふりするくせに。
「こいつメンドくせえ」
ぐるりと一周して管理事務所へ。
朝ごはん代わりの缶コーヒーでひと息つきました。
さて、次に行きましょうか。
羊山公園(秩父市)
R299に戻り、秩父方面に向かいます。
走りながら迷っています。
小鹿野から上野村を経て下仁田へ、
内山峠からコスモスを眺めながら佐久へ向かうか。
あるいは奥秩父から雁坂トンネルを塩山までぬけるか。
秩父に入ったらまず高いところに登ってみました。
西の空は雲がかかっていますが
雨になることはないでしょう。
根拠はありませんが、なんとなく。
コンクリートでできたテーブルにはたくさんの団栗が。
熊にビビりながら山道を走るのも面白そうです。
R140をもう少し西に向かってみましょう。
秩父鉄道の終着、三峰口の駅まで出て
つまんなかったら小鹿野に向けて北上することにしました。
三峰口駅
荒川源流の深い渓谷を越えたら三峰口駅です。
久しぶりに来たのですが記憶よりも近く感じました。
最初に来たころは人跡稀な奥地といった趣だったのですが。
雁坂トンネルで甲州が随分と近くなったいま、
山奥の心細さがなくなってきましたね。
山が近く、渓流が流れている所為でしょうか、
空気が濃く感じられます。
いくら歩いても疲れない感じ。
ということで、これまで面倒くさくて行かなかった
車両公園を見学することにしました。
駅舎から線路を渡った反対側に、
古い車両が保管されています。
展示というより放ったらかされている感じ。
雑草と蜘蛛の巣を払いながら見学道を進みます。
機能が剥き出しになったようなデザイン。
清潔で便利な通勤電車とは違う
鉄道の原点を見たような気がしました。
車両そのものに興味や知識がなくても、
山あいの青空と古い鉄道車両をぼんやり眺めるだけでも
心安らぐ場所ですね。
無蓋車の荷台に寝転がって雲を眺めるのも楽しいかも。
駅前に戻ってあたたかい蕎麦を食べることにしました。
9時すぎ。
唯一開店していた松葉亭さんへ。
先客は女性二人連れだったのですが、
店のおばちゃんの長話を聞かされています。
聞くともなしに聞いていると、
家を出た息子さんたちのお話しのようです。
いちばん末の息子さんが家業を継いだというのが
話の結論なのですが、
長男から順に話が続きます。
6人兄弟、伸びる蕎麦
私の山菜蕎麦が運ばれてきました。
と、同時におばちゃんのトマホークが
私にロックオンしました。
ついさっき聞いた話が始まります。 長男から順に。
本文とは関係ありません
太陽寺
R140を逸れ大血川林道へ。
松葉亭のおばちゃんから三峰神社まで通行止めのないことを
聞いておきました。
逆にこっちから質問することで
なんとか勝負をドローに持ち込みました。( ゚∀゚) 試合巧者
枯葉や浮き砂、落石。
道幅が狭まり心細くなったころ、太陽寺が見えてきました。
スマホ圏外の山寺。
厳しい修行の場かと思っていましたが
ネットで調べてみたらそうでもないようですね。
宿坊に泊り座禅を組んだり写経したり、
女性の方も気軽に体験できるようです。
何れもやりたければやれば良く、
住職さんのお話しが楽しいとか。 (;゚∀゚) 修行としてどうよ
その所為でしょうか、
入り口に洋麺屋みたいな小奇麗な建物が建っていました。
どこへ向かっているのでしょう、太陽寺。
三峰(峯)神社
大血川林道に閉鎖はなく、三峰神社に無事到着しました。
サンクス、松婆。 松葉亭のおばちゃんの略
遥拝殿は東南方向に数キロ離れた妙法ヶ岳の山頂、
三峰奥宮を遥拝する場所です。
三峰神社のご祭神は
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、
伊弉册尊(いざなみのみこと)。
似たような名前の夫婦ですね、ややこしい。
芸能人で喩えると、
阿藤快と加藤あいが結婚した感じでしょうか。 ちょっとハラたつ
高野山や比叡山には及ばないものの、
本殿付近はちょっとした山上都市の様相です。
コーヒーショップから温泉施設まで。
唯一ツタヤがないのが不便なくらい。 あっても借りませんけど
これらはもちろん最近の施設ですが、
そもそも参拝には
レクリエーションの側面もあったのかも知れませんね。
鄙びた風情や山岳修験の厳しさはないかも知れませんが、
目くじら立てて憤慨することでもなし。
これまでの歴史で三峰神社に関わってきた沢山の人たち、
参拝する側、受ける側の意識の総和が
今のかたちに落ち着かせたのだろうと思います。
量子力学で「確率の雲」なんてことを言いますが、
ひょっとしたら確定した因果律なんてないのかも
知れません。
沢山の人たちが
それぞれの考えや立場で手を突き出して
大玉を運んでいるというのが世の中なのかも。
大きくは外れないけれど、
どう転がるかは分からない。
パワーフード(低カロリー)
巾着田、太陽寺に続き
三峰神社に対しても私の認識が書き改まりました。
日本のあちらこちらに残っている不合理な物陰、
わくわくするような向こう側というのは
その殆どが失われてしまったのかも知れません。
ちょっと焦ってきたぞ。 (;゚∀゚)
栃本集落
文明を享受しながら身勝手な抵抗ですが、
山の暮らしに少しでも触れようと、
ループ橋を通らず栃本の集落を抜けることにしました。
秩父往還を抜ける関所のあった場所です。
谷の底でも山の頂でもなく傾斜地に拓かれた集落。
高低差のある暮らしでは移動する際の距離感にも
独特の物差しがあるのかも知れませんね。
行き帰りの体力配分とか。
木を切り取った斜面には、
ミアンダ状の轍が残されていました。
団栗がまるごと入った雲古。
大きさ的に熊じゃなかったら人だな。 (;゚∀゚) どっちもイヤ
遥か眼下にはR140が見えます。
順調に流れているようですね。
山を下って雁坂トンネルを抜けることにしましょう。
雁坂トンネル
雁坂トンネルの手前、短いトンネルの中は晩秋の寒さ。
つい2か月ほど前の猛暑が嘘のようですね。
雁坂トンネルは7km弱あるそうですから、
インナーを着こむことにしました。
安全な場所にバイクを停めます。
山の木々は未だ青々としていましたが、
この先ひと月ほどで一気に紅葉が始まるのでしょうね。
前もって下調べをしてこなかったのですが、
噂に聞いていた通行料無料は継続中だったようです。
11月末日までとのこと。
紅葉の頃には大混雑しそうですね。
塩山~甲府
恵林寺あたりでR140を離れ塩山市街地に入りました。
通り過ぎてから思い出したのですが、
恵林寺と言えばそろそろ干し柿づくりが始まる頃でしょうか?
残念なことをしました。
昔の訪問記がありましたので、[リンク]しておきます。
帰りみちは山中湖の東側に出て
明神峠から山北に抜けようと思っていたのですが、
ナビが選んだルートは甲府まで出てR358-R139から
樹海を抜けるコースのようです。
いかにも観光バス渋滞しそうなコースで気乗りがしません。
R20まで南下したところで
大月を抜けるコースに変更しました。
笛吹川を越え一宮まできたところで小休止。
ここから先は先日の猿橋コースと同じです。
相模湖近辺の渋滞が始まる前に
のんびりと帰ることにしましょう。
山から甲府盆地に向かって
なだらかな扇状地が広がっています。
小学社会の教科書に載っていた写真の通りですね。
今日は色々なものを遠望したり俯瞰したり。
便利になった反面、失くしてしまったものなど
少し夢から覚めた部分もありましたが、
移りゆく時代のスナップショットくらいは
撮れたかも知れません。
「着いたらメールして」
ではまた。