みんな夢でありました [ツーリング(超100km)]
2017/04/08
駅からの帰りみち、
ふと見上げた夜桜は盛りを過ぎかけていました。
雨の心配をするほどの余裕もなく、
慌ててバイクで出掛けます。
春のはっきりとしない天気のなか、
韮崎(山梨県)までやってきました。
神山町にある王仁(わに)塚の桜。
なんとか間に合ったようです。
Great Teacher Wanizuka
こんもりとした古墳の上に、ただ一本の桜。
これを目当てにたくさんの人が集まっています。
かつてこの地を訪れた平野レミは、
2年後にまるごとブロッコリーを考案します。 うそです
食べもので遊ばないの
樹齢300年を超える古木ですが、
力の限り花を咲かせていますね。
渾身の春。
会社で40%以上の力を出したことのない私とは
大違いです。 ( ゚∀゚)
霞んだ空気のむこうに、
八ヶ岳の残雪が浮かび上がって見えます。
遥かに眺める天上の世界。
振り返れば富士の山。
霊峰を繋ぐ線上に咲く一本の桜。
案外ここは特別な場所なのかも知れません。
この丘の下に眠る武田王も
生前眺めた景色なのでしょう。
偶然にある時代のある場所に立ち、
悠久の山河を愛でる僥倖。
100年後、いま生きている人の殆どがいなくなっても、
この風景は変わらないのでしょうね。
散る桜は儚さの象徴ですが、
人間の一生のほうが余程可憐ですね。
桜の妖精(最後尾)
そんなことを考えていると、
なんとなく肩の荷が下りたような気がします。
うん、元気が出てきたぞ。
もう一軒行きましょうか。 ( ゚∀゚)
実相寺(北杜市)にやってきました。
よく手入れされた水仙のむこう側、
見えているのは南アルプスの山々でしょうか。
山高の神代桜。
樹齢1800年とも2000年とも。
弥生末期、卑弥呼の時代。
人と神様の区別が曖昧だった頃ですね。
千数百年を生きた桜は上に伸びるのを止め、
丸い塊になりました。
その塊から伸びる若い枝。
お祭りきゅうりはここから生まれました。 うそです
食べもので遊ぶなってば
気がつけばバイクの写真が一枚もありませんね。
気分が外に向いていた結果だとすれば、
久しぶりのツーリングとしては上出来です。 ( ゚∀゚)
河岸の向こうに ぼくたちがいる
風の中に ぼくたちがいる
みんな夢でありました
みんな夢でありました
もう一度やりなおすなら
どんな生き方があるだろうか
バイクで旅をする人たち。
速さや距離を誇るのも結構ですが、
小高い丘に立ち、桜の古木を見上げている。
大事なのはそういうことのような気がします。
往く春を惜しみつつ、
頑張ってGW に逃げ込みましょう。
(みんな夢でありました ー 森田童子)